こんにちは、keiです。
2020年12月20日、ベトナムの病院で大腸がんと診断されました。
当時は、病気になったことへのショックや体の心配、将来の仕事の不安などで気持ちが落ち着かず、他に若くして大腸がんになった人がどういう気持ちだったのか、どういう生活をしていったのかを知りたくてブログなどを探したりしました。
しかし、あまり参考になる記事が見つからずにもやもやとした気持ちのまま過ごしていました。
今後、同じ境遇になった人が少しでも共感できるように、少しでも気持ちが楽になるように、そして自分の人生でとてつもなく大きな出来事である大腸がんとの付き合いの記録として、発覚の経緯とその後の生活について記していきたいと思います。
大腸がんの発覚まで
大腸がん発覚までの生活スタイル
簡単に僕のプロフィールから。
2021年現在32歳のサラリーマン(コピー機メーカーで商品の設計をしています)で、2020年10月からベトナムのハイフォンに駐在していました。
喫煙経験なし、お酒は人並み程度、普段から自炊していることもありバランスの良い食生活をしていたと思います。
睡眠時間も6~7時間と、比較的良好な生活習慣だったのではないかと自負しています(週末は夜中の1~2時くらいまでゲームをしていることもありましたが、、、)。
大腸がんの兆候
がんの兆候が初めて現れたのは2019年の年末あたりでした。
血便(排便後にトイレットペーパーに少し血が付く程度)がありましたが、当時は短納期で開発する製品を担当しており、23時過ぎまで働くなどで余裕がなかったこともありあまり気にしていませんでした。
2020年に入ってもたまに血便が続いていました。
他にも、特に冷たい飲み物を多く飲むと下痢をしやすくなったという感覚がありました。
血便について軽く調べてみたりしましたが、かかりつけの病院もなく面倒だったため、「痔かなにかだろう」「大丈夫だろう」と決めつけてそのまま放置してしまいました。
これが大きな過ちでした。
駐在前の健康診断
ベトナムへの駐在が決まり3月に健康診断を受診しました。
内容としては血液検査、胃がん検診(バリウム検査)、尿検査、心電図、胸部X線などがありましたが特に問題ありませんでした(便潜血の検査はありませんでした)。
血液検査での腫瘍マーカーも問題はありませんでした。
大腸がんの発覚
血便の悪化
コロナの影響により予定より半年遅れの10月にベトナムに渡航し、二週間の隔離の後ベトナムでの業務を開始しました。
隔離中のホテルでの生活はこちら↓
日本では新商品の設計を担当していたのに対してベトナムではそれらの商品を生産している工場で品質管理の業務を担当しました。
特に、技術的なトラブルが起きた際にその原因調査と対応を主導するという役割です。
ベトナムでの生活も徐々に慣れ始めていた11月下旬ころから血便の具合が悪化しました。
具体的にはお腹が緩い感じがしてトイレに行くも、血だけが排泄される(ドロドロとした黒めの血の場合もあるしサラサラした赤めの血の場合もある)といった症状が頻繁にありました。
慣れない場所で慣れない仕事をしているから、疲れたから休日は休みたい、といった言い訳を自身にしてきましたが、ここまできてようやく「さすがにやばいかも」と思い病院に行く決心をしました。
ベトナムの病院に行く
病院に行くにあたり、WellBe(ウェルビー)というサービスを使用しましたが、これがあって本当に助かりました。
WellBeは会社が加入しているサービスで、海外駐在者が駐在先で病院や歯医者に行く際のサポートを受けられます。
具体的には、WellBeに電話すると日本語を話せるスタッフにつながり、症状を説明することで適切な病院の予約を取ってくれます。
僕の場合、指定された時間にハイフォン・インターナショナルホスピタルに行くと、Hoaさんという日本語を話せるベトナム人の方が待っていました。
話しを聞くと、Hoaさんに限らずWellBeのスタッフの方は日本の看護学校を卒業しているらしく、Hoaさんは看護学校含めて10年近く日本で働いていたとのことで、日本語がとても上手でした。
Hoaさんについていくと、検査への案内や医師の通訳など一通りやってくれたので本当にありがたかったです。
血液検査、大腸の触診(肛門から指を突っ込まれました)、MRI検査を行い医師の診察を受けると、より正確に調べるために大腸の内視鏡検査をしたほうがいいとのことで、翌日検査を受けることにしました。
ベトナムの病院に行く その2
内視鏡検査を受けるためには大腸をからっぽにする必要があり、大量の下剤を渡されました。
朝9時から検査のため、朝4時から6時の間でトータル3リットルの下剤を飲む必要があったのですが、これがとてもまずく(しょっぱいスポーツドリンクのような味)、トイレに座って泣きながら飲みました。
病院に行き、前日同様Hoaさんについていくと検査室まで案内され、お尻の部分が大きく開いた紙パンツと検査着に着替えてストレッチャーに寝そべり待っていました。
検査を待っている間、検査自体や検査結果への恐怖心から、「あぁ、なんか怖いな」「手術する人ってこんな気持ちなのかな」と感じました。
検査は一瞬で終わりました。全身麻酔だったので点滴をし始めてすぐに意識がなくなり、30-60分経過してから目が覚めました。
31歳サラリーマン、大腸がんを宣告される
結果は悪性の大腸がんでした。
内視鏡で採取した組織の精密検査結果が数日後出て、そこで結果が確定しますがまず間違いなく悪性であると、MRI検査や内視鏡検査の写真を見せられながら言われました。
医師からは、ベトナムでも手術はできるが患部が肛門から3~5センチメートルと近い位置にあるため一生人工肛門になる可能性があること、日本は技術が進歩しているため肛門を温存できる可能性が高いと説明されました。
人工肛門がどんなものか知らなかった僕は、プラスチックや金属で造形した肛門に置き換わるのかなと想像していましたが、へその横あたりに人工肛門を造設してそこから便を排泄すること、QOL(Quality Of Life)に大きく影響することをHoaさんから説明されました。
どのように治療していくのか家族や上司と相談して連絡してください、とHoaさん。
この時点では、不思議とショックや絶望といったことよりも、これからどうしよう、せっかく望んで海外に来ることができたのに仕事はどうなるのかな、といったことを心配しながら帰宅しました。
今回は以上です。
次回は治療方針を決めてから手術までの心境などについて書いていきたいと思います。
アイキャッチ画像の出典:PDPicsによるPixabayからの画像