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ドラマ「半沢直樹2」と原作「ロスジェネの逆襲」の違いをまとめました。
この本は、2020年8月現在放送中の「半沢直樹2」の原作となった作品です。
前作の最後に、半沢直樹は東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券に出向を命じられました。
本作は、その東京セントラル証券で繰り広げられる、銀行からの理不尽な要求に抵抗する半沢直樹の物語です。
1分でわかる「ロスジェネの逆襲」のあらすじ
- IT業界の雄である電脳雑技集団の平山社長が東京セントラル証券に、同じくIT業界の雄「東京スパイラル」買収のアドバイザーを依頼
- 電脳チームの諸田、三木ら(銀行からの出向組)で買収スキームをつくって提案するも、電脳からアドバイザー契約を破棄される
- 電脳のアドバイザー契約を銀行が横取りしたことを知った半沢「やられたら、倍返しだ」
- 東京セントラル証券の森山(もともと電脳担当だったが諸田に外された)は東京スパイラルの瀬名社長と中学高校の同級生で、久しぶりに再会する
- 東京スパイラルは大洋証券から買収防衛のアドバイザー契約を打診されており、森山はその防衛策に疑問を持つ
- 森山は半沢、瀬名社長と相談して東京スパイラルのアドバイザーを担うことになり、数々の不正を暴いていく
ドラマ「半沢直樹2」と原作「ロスジェネの逆襲」の違い
この先はネタバレも多く含まれるのでご注意下さい。
大和田取締役(前作は常務)
ドラマでは「施された施し返す、恩返しです」、「君はもう、おしまいDEATH」などの名言で大活躍中(?)の大和田取締役。実は、原作「ロスジェネの逆襲」では一切出てきません。
ネタキャラとしての地位を確立しつつある大和田ですが、原作でわずかにしか登場なかったキャラの代役を果たすという重要な役割を担っています。
最も重要だったのは電脳への500億円の追加融資の審議をする役員会議に半沢を招聘する役割ではないでしょうか。
証券営業部が気づかなかった電脳の粉飾に気づいた半沢は、追加融資否決の切り札として粉飾の情報を役員会議で報告しようとしますが、そのために前作のラスボス大和田に助けを求めます。
大和田に「死んでも嫌だねー!!」と一度は断られますが、最終的に役員会議で融資に対する反対意見の発言と半沢からの追加説明の許可を頭取に打診しています。
原作でこの役割は、半沢が銀行在籍時に所属していた営業第二部の上司である内藤部長が担います。
大和田のように敵対はしていませんので、半沢vs大和田の部分以外はほぼ同じでした。
「ドラマの半沢直樹」では、大和田は欠かせない存在感を放っているので、どのように登場させるのか楽しみにしていましたが、原作キャラの代役を果たしたり、原作にはない相関図(伊佐山部長や三笠副頭取との関係)を追加して視聴者を楽しませてくれています。
今後の活躍に期待です(笑)
伊佐山部長
東京中央銀行証券営業部の部長。
ドラマでは大和田二世かのような立ち回りをしており、ことあるごとに半沢に敵対心を向けています。
大和田よろしく「お前の負けー!」「詫びろ!詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろ、詫びろ、半沢―!」とこちらもかなりの名言を残しています。
そんな大和田リスペクトの伊佐山、ドラマでは大和田を師事していたり三笠副頭取をだます作戦を立てたりと、大和田との関わりが多くみられました。しかし、原作では大和田が登場しませんので、当然大和田との関係も描写されていませんでした。
また、ドラマでは破天荒キャラの伊佐山ですが、原作では比較的クールなキャラのイメージでした。
黒崎証券取引等監視委員会事務局証券検査課統括検査官
ドラマでは、スパイラルが買収しようとしたフォックスの投資失敗の内部情報が漏洩しました。フォックスの株価を操作するために半沢がリークした、という情報を得た黒崎は、その調査をするために東京セントラル証券を訪れたのです。
しかし、原作では大和田同様に黒崎も一切出てきません。
半沢への好意が抑えきれず、今作では「なおき」呼ばわり。
ドラマでは相変わらず半沢を追いかけるのでした。
以上です。
現在、ドラマでは帝国航空編が放送されています。
次回はこの原作となった半沢直樹シリーズ4作目「銀翼のイカロス」のまとめとドラマとの違いに迫っていきます。
画像の出典:unDraw Created by Katerina Limpitsouni