多くのライターやブロガーがおすすめしている本、ということで読んでみました。
心理学をもとにした「書く技術」のベースがつまっているのでおすすめです。
こんにちは、keiです。
さて、いきなりですが質問です。
ある売り場担当者が紙オムツ売り場に「今しか見れない姿、残しませんか?」と提示することで、紙オムツよりも高価なまったく別の商品の売上を大幅にアップさせました。
その商品とは何でしょう?
答えは使い捨てカメラです。
紙オムツ売り場に来る大半の人は子どものいる人たち。しかも、紙オムツを使うのは新生児から2,3歳という一番かわいい時期です。
その人たちがこのフレーズを見ると、「かわいい姿を残したいな」と思い、気づけばカメラを買い物かごに入れている。そういう寸法です。
これが文章の持つ「人を動かす力」。この本で言いたいことはこれだけです。
そして人を動かすための書き方三原則、人を動かす7つのトリガー、書くための5つのテクニックが具体例と一緒に紹介されています。
では、いってみましょう!
この本がおすすめな人
・文章を書く人
・誰かに行動させたい人
良かった点
・2時間くらいでさくっと読める
・平易な言葉や表現で書かれていてライティング初心者でも理解しやすい
・章ごとに書くためのテクニックがまとめられており見返しやすい
要約
「書かない」3原則で人を操る
原則1:あれこれ書かない
長文メールが来て「うわ、読んでられないよ」と思ったことはないでしょうか?つい最近、会社メールで僕宛に何度もスクロールするほどのメールを受信しましたが読むのをあきらめました。
狙う結果を一つに絞り込み、読みやすくするのが効果的です。
人は受け取った情報が足りないときは想像や予測で判断する習性があります。つまり、あえて短文にすることで読み手の想像力を利用するのです。
書き方のポイントは「自分が何を伝えたいか」ではなく「この文章を読んだとき、相手にどんな行動をしてほしいか」なので、短文で想像力をかきたてて選択肢を広げてあげるのがおすすめです。
原則2:きれいに書かない
当たり障りのないきれいな文章ではなく、表現が稚拙だろうと言葉選びが洗練されていなくても個人的な思いや背景が盛り込まれた文章を書きましょう。
そのほうが相手の心を動かす力を持っています。
〇 教えてもらったお店に行ってきました!いやぁ、あんなにおいしいハンバーグは初めてで肉汁がすごかったですよ!
原則3:自分で書かない
繰り返しますが、文章は「自分が書きたいこと」ではなく「相手にどんな行動に移してほしいか」が主役です。
つまり、書く前の準備段階で相手の読みたい内容や求めている言葉を考えていくと、書く内容はおのずと決まってくる、ということです。
人を動かす7つのトリガー
1.興味
相手の関心ごとをテーマにするだけで、興味を持って行動に移してくれます。
2.ホンネとタテマエ
本音をいうと言い訳になるから建前しか話さない、でも本当は本音を察して認めてほしい、という感情が人の遺伝子レベルで組み込まれています。
そこで本音を認めてあげると、建前を使って行動に移してくれます。
3.悩み
人の悩みの9割は「HARM(Health/Ambition/Relation/Money)」に集約されます。
HARMに関わることであれば人は行動に移したくなるのです。
4.ソン・トク
人は「自分が得することよりも損することにより大きな影響を受ける」という心理があります。
つまり、「満足いただけなければ全額返金」などのように損をしないことをアピールすることで行動に移りやすくなります。
5.みんな一緒
みんながしていることは正しい、という「社会的証明」という社会心理学用語があります。
モデルの〇〇も使っています、30代の〇〇%が持っています、のようなフレーズで行動しやすくなるのです。
6.認められたい
誰しも承認欲求を持っているので、「さすが、課長の行きつけのバーはおしゃれでした」といった内容の言葉で、「また連れて行ってやるか」という気にさせ行動に移しやすくなります。
7.あなただけの
「あなただけに教えます」といった希少性を持たせることで、行動しやすくなります。
今すぐ使える5つのテクニック
1.書き出しはポジティブに
初対面の印象は7秒で決まり、半年間持続するといわれている「初頭効果」を使いましょう、ということです。
メールの書き出しは朝であれば「お疲れ様です。」ではなく「おはようございます!」のほうがいいです。
2.何度も繰り返す
同じ意味の内容を言葉を変えて繰り返すことで説得力が向上します。
逆に、同じ言葉を繰り返してしまうととたんに相手は飽きてしまいます。論文なんかは後者になるので退屈に感じてしまいますね。
3.話しかけるように書く
人は文章より会話のほうが内容を覚えやすいです。文章を書くとしても会話のようなリズムを意識して書きましょう。
4.上げて、下げて、また上げる
文章は映画と同じように抑揚のある内容にしましょう。
成果報告をするような場では、出だしはよかったが途中でこんな苦難があった、しかしそれを糧にもっと大きな成果が出せた、みたいな感じです。
5.追伸をつける
あらゆる文章の中で人が最も読み、心に残るのは追伸部分だということがわかっています。
何か伝えたいこと・してほしいことがあれば「追伸」を活用するのもいいかもしれません。
以上です。
細かいテクニックがわからなくても、ポイントだけでも押さえておけば今よりいい文章が書けそうですよね。
僕も明日から実践してみます。
画像の出典:unDraw Created by Katerina Limpitsouni